こんにちは。大井です。
今日のテーマ:観察
- キャッチャーはバッターをよく観察することが大切
- 良いキャッチャーは観察力がすごい
とよく言われますが、
『どこを観察して、どう活かせばよいのか』
というところまで詳しく議論されていることは意外と少ないのではないでしょうか?
なので、
というキャッチャーの方にご覧頂いて、
観察するポイントが分かった!
次の試合から配球に活かせそう!
という感覚を得ていただければ幸いです。
結論:タイミングが最重要
キャッチャーが観察するべきポイントは実際には数多く存在します。
例えば、
- スイング軌道
- 立ち位置
- 踏み込む方向
- 表情
などです。
その他書き切れないほど色々とあると思いますが、その中でも最重要視すべきなのはタイミングだと私は考えています。
20年以上キャッチャーをやってきてある程度の再現性・汎用性があると感じているので以下ご参考までに解説していきます。
なぜタイミング観察が最重要か?
タイミングを最重要として観察するべき理由は、
タイミングだけが唯一まともにバッテリーでコントロールできることだから
です。
具体的に言い換えると、ピッチャーは各々持っている球種があると思いますが、それぞれの球速レンジが最も安定して操作できるということです。
例えば球種が、
- 130kmのストレート
- 115kmのスライダー
- 100kmのカーブ
とした場合、投球毎に多少のバラツキはあるにせよ、同じ出力で投げる限りは概ね想定内に収めることが可能だと思います。
やべえカーブが指に掛かりすぎて120km出た!
みたいなことはその試合の中ではまずあり得ないことだと思います。
そういう意味で、『相手打者にどの球速帯のボールを投げるか』については概ね安定的にコントロール出来ると考えるため、その検討材料とするためにタイミングを観察することが最重要だと考えています。
話をわかりやすくするために上記との対比を挙げます。
バッテリーは相手打者を打ち取るために様々な意図を持って投球していくわけですが、狙いの通りに投げられるかどうかはまた別の問題です。
例えば、
- 内角が苦手だと判断してもインコースに投げきれなければ意味なし
- 変化球打てないと判断してもストライク入らなかったら意味なし
という具合です。
冒頭に書いたスイング軌道やステップ方向等で仮に内角外角・高め低めの弱点がわかったとしても、現実の投球で思い描くボールを投げることができないのであればせっかく頑張って観察を行ったとしても良い結果には結びつかないわけです。
一旦ここまでまとめます。
タイミング=球速をコントロールする方が、内角外角・高め低めのコントロールよりも相対的に難易度は低い
→だから、各球種に対する打者のタイミングを観察して次の投球に活かすことが最重要
4つのインパクトゾーンを観察する
そしたら、タイミングが合ってるか合ってないかを観察すればいいのか!
という陳腐な話になりそうなので、もう少し踏み込んでいきたいと思います。
タイミングを観察するにあたっては以下に挙げる4つのゾーンのうち、どこでインパクトを迎えているのかを投球毎に細かくチェックすることが大切だと考えます。
泳ぎゾーン
言葉の通りタイミングが早すぎる、ポイントが前過ぎるゾーンを指します。
例えば、チェンジアップに対して前のめりな空振りしていたり、外のスライダーを崩されながらなんとか当てているようなイメージです。
長打ゾーン
腕が伸び切った最もスイングスピードが速いゾーンを指します。
皆さんもご経験があると思いますが、イメージよりも若干ポイント前で捉えた打球の方が飛距離は出る、そのへんのゾーンです。
具体的には引っ張り方向に鋭いファールが飛んでいる状態など。
単打ゾーン
タイミングがピッタリ合っているゾーンを指します。
イメージは真後ろにファールチップが飛んでいるような状態で、まともに当たればキレイなセンター前や逆方向のヒットが生まれるゾーンです。
詰まりゾーン
差し込まれているゾーンを指します。
イメージとしては着払いと呼ばれる空振りや、逆方向の詰まったフライなどを打っている状態です。
上記の4つはバラバラに存在するものではなく連続性を持ってつながっているため、『合っているのか合っていないのか』という単純な2軸ではなく、『どこのゾーンで打ったのか』を確認することが大切です。
※長打ゾーンと単打ゾーンをわざわざ分別する理由については別途解説!
インパクトゾーンと球種を紐づけて組み立てる
インパクトゾーンの観察結果を踏まえて、
どこのゾーンに持っていくのかをイメージして球種を選ぶ
という思考回路がリスクの低い配球に繋がると思っています。
というのも、上述の通り内角外角・高め低めには投げミスがつきもので計算通りにはいかないリスクが高い一方で、インパクトゾーンさえズラすことに成功すればコントロールミスがあったとしても辛うじてアウトに出来る可能性が高いからです。
例えば、ストレートを意識付けて最後にチェンジアップで仕留める組み立てにおいて、完全に【泳ぎゾーン】まで持ってくることが出来ていれば多少甘く入ったとしても空振りや引っ掛けた打球が期待できます。
まとめ
本日はキャッチャーが観察するべきことについて書いてきました。
初歩的な内容だったかもしれませんが基本中の基本なので再確認の意味も含めてご参考になれば幸甚です。
本日もありがとうございました。
それではまた明日!
コメント